どうも、ガンダムのオッサンです。
ほぼ現役を引退された陶芸家のおじいちゃんとお話をする機会がありましたので気になることをちょっと聞いてみました。
話を聞いた結果、よく分からなかった芸術の世界がもっとわからなくなっちゃった...
駄作は割る
刑事モノのテレビドラマとかで陶芸家がダメな作品をその場で割るみたいなシーンってよくあるじゃないですか、あのシーンを見るたびに「もったいねー!」と思っていました。
ただ、あれはテレビドラマ用の演出とも思っており、それを陶芸家のおじいちゃんに聞いてみるとですね、実際に割るんですって。
しかもドラマの割るシーンじゃないレベルの枚数を割るってんだから驚きです。
んで、「もったいない」「安く売ればいいんじゃね?」みたいな質問をするとですね、それは違うとの事。
そうじゃねえんだよ、割らないと良いものが出来ないし、安く売ると値崩れしてダメになるってんだから芸術の世界は難しいです。
一釜ダメにする事もある
形を整えて釜にいれて焼き終わった時点でダメなものは割るんですって。
中には一釜分全部ダメなやつもあったりして全部割った事もある... ってこのダメなやつの判断は自分の判断。
私としては取っておけば良いじゃん...なんですが、保存しておくと場所をとっておき場所に困るし、より良い作品を作るために必要な事なんですって。
ちなみに割った破片はビッグなトンカチとかローラーを使って細かく砕いてゴミ。
そんな中で出来のよい作品に色を塗ったり更なる加工を加えて作品に仕上げるそうなんです。
さらに完成した作品ですら割るってんだから驚きです。
しかし「やっぱ割らなければよかった...」と後悔するのもあるんですって。
そうやって割り続けた作品で生き残ったベストな作品に値段が付くってのがおじいちゃんの信念です。
ただ価格の設定が最も難しいとも言う。
自分では10万とつけたのに全然売れないものもあれば、30万で簡単に売れる作品もあるそうです。
そして基本的にはこの世に一つの作品、しかし30万で簡単に売れたものを再び作っても売れないみたいな世界ってんだから難しい。
やっぱり割らないとダメなんだって事を強く主張されました。
ブランド力の維持
割らずに売るという発想が無いのはですね、駄作を安売りしてしまうと気合の入った完成品が売れなくなっちゃうって事らしいのです。
ならば極めた一作品を大切に売る以外に違うブランドとして別の場所で売っちゃえばいいんじゃね?と質問したところ、
「それは絶対にバレるから不可能」
なんですって。
やはり駄作でも作風が表現されてしまうため、見る人が見れば一発で分かるとの事。
そんな理由により割らずに売る発想は無い、だったら知り合いに安く売るとかあげるのは?って聞いてもダメなんですって。
自分が人生で作ってきた作品は全て覚えており、中には一つの作品のために割った駄作が100個とかあるらしいのです。
その完成品と同じ形のものが存在したら完成品に悪いし価格がおかしくなるとの事... もう徹底しております。
材料代は安い
そんなに割まくるのであれば材料代が気になるってもんです。
ただ材料代はそれほど高くないって言う... でもそれだって割まくるならかなりの消費量のはず。という事でネットで検索してみるとですね
粘土 釉薬などの陶芸用品がすべて揃う、陶芸通販サイト/陶芸ショップ シンリュウ
このような専門サイトがありました。
全くの素人ですけど特コシ土細目というもので20kg 1944円となっております。
20kgもあれば色々作れそうなもんですが、作った作品がダメなら割っちゃうんですもんね、もうこの辺で芸術家の感覚と一般庶民の感覚は違ってると思います。
こんな事を聞くと価格設定が一番難しいってのもうなずけます。
たぶんリッチマン
このおじいちゃんは多分リッチマン... いや絶対にそうです。
少し前は陶芸教室なんかで生徒さんに色々と教えていたようですが、そういった教室の収益や作品の販売益でリッチになったのではないように思えます... なんというか初めからお金持ちだったような感じ。
というのも私の取引先である不動産屋の社長爺さんの会社で何度かお茶をご一緒しており、アパートを数件持っている事は知っています。
そして不動産屋の社長爺さんも金持ち。
つまり金持ち不動産屋と金持ち引退陶芸家と零細企業の社長の構図でして、その中で最も年下な私は「もっと会社を大きくしろ」とか「もっと金借りないとだめだよ」とか言われまくるのです。
そんな説教するならあなた方が融資してくれって言いたくなりますが、そこはこらえて不動産会社の社長が小切手を出すのをじっと待つ...
だいたい原付スクーターで集金に来るオッサンに億単位の話されても困るってもんですよ、そんぐらい察して欲しいです。
ちょっと愚痴を言ってしまいましたね、大切なお客様だというのに申し訳ない...
でもこんな事を言えるのってブログぐらいしかないんですよ、ほんとこのブログの存在は有り難いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。