次世代の加熱式電子タバコとして2021年8月にデビューしたJTのプルームエックス(Ploom X)
デバイスの表面にボタンを出さないデザインの美しいフォルム、温度と気流をコントールする新技術「HEATFLOW」、Bluetooth搭載によるスマホとの連携...といった次世代に相応しいデバイスで発売当初から話題になった電子タバコです。
そんなプルームエックスの次世代感を探るべく分解を試みたところ、ある段階で復元が不可能な作りこみであることが分かりました。
まだ発売間もない新品デバイスを壊したくない一心で吸える状態にはしましたが、どうみても改造プルームエックスのような外観に。
結論はプルームエックスは分解しない方がよい!になります。
プルームエックス(Ploom X)の分解
加熱式電子タバコの分解で最も注意すべき点は外装外しにおける最初のアプローチポイントです。
外装外しを慎重に行わないと内部パーツを破損してどこを壊したのか分からない状態に。
プルームエックスの場合はフロントパネルを外せばビスが見えているので最初は楽勝だろ!と思っていました。
外装外し
最初にフロントパネルを外して3カ所あるビスを外します。
ここまでは誰でも出来る作業、何のトラブルもありません。
次に隙間にマイナスドライバーを突っ込みフタを開けたいところですが、初めてなので分からずに外さなくてもよいパーツを外してしまいました。
それが薄い金属の飾りパーツ。
というのも3カ所のビスを外しただけではフタが開かず、隙間にマイナスドライバーを突っ込んでこじ開けようにも開かない...
ということは隠しネジが存在しているのでは?と考えフタについているパーツを剥がしてみると薄い金属製。
両面テープで接着されているだけなので簡単に剥がせるものの、金属性なので歪みを正常に復元することが出来ません。
しかもこの金属性の飾りパーツを剥がしたところで隠しネジの存在はなし、全く無意味な作業でした。
もしプルームエックスの分解を検討されている方がいらっしゃいましたらこの時点での中止がオススメ、あとは引き返せない状態に突入します。
内部パーツとフタのマグネット部は接着されている
ではどうやってフタを開けるのか?となると、隙間にマイナスドライバーを突っ込みスペースを作り、力まかせに引きはがす...これが正解です。
最初のアプローチポイントはココ!
ここから隙間を全体に広げていき、最後に引きはがします。
固着している箇所はフロントパネルをとめるマグネットパーツの上部、そこを最後に残すような形でバキっとやるしかありません。
フタを外すことに成功すると上画像のような状態に。
問題となる固着箇所は折れますし元に戻りません。
ここまでのプルームエックス分解ならばマグネットが外れてしまったりする程度なので接着剤で付ければまだ復活可能です。
次世代の加熱式電子タバコとされる秘密と構造
フタを外して内部パーツを見ると、チャンバー底にエアホールらしきものは無し、これは噂通りの作りでした。HEATFLOWシステムはタバコスティックとデバイスの隙間からエアーを取り入れてるのは確実っぽく、
隙間のエアー取り入れ部にセンサーもあります。
またフロントパネルを外すと反応してLEDが光るセンサー部も発見。
プルームエックスは暗闇でフロントパネルを外しても反応するので光センサーではないことだけは確かと分かっていましたが何に対して反応しているのか...
この辺の事情については分解して弄りまくった私なりの考えが色々とありますが、エアフロー部、エアフロ―部のセンサー、やフロントパネルの反応センサー部はプルームエックスが次世代の加熱式電子タバコとされる鍵の部分に触れそうなところです。
競合他社のアイコスやグローはとっくに分解して分析、内容も分かっているでしょう。
内部フレームが外装に接着している
次に内部パーツを取り出して構造をよく見る...なんて思うも、プルームエックスは内部パーツが内部フレームに組み込まれている状態です。
しかも内部フレームは外装に接着されている状態なので簡単にはとれません(結論は破壊する勢いで引っこ抜くしかない)
ということでバッテリーの取り外しからアプローチ。
バッテリーはスライドカバー部の方から抜く...が正解のようにも思えますが、実際は内部フレームを外さないと取れない構造です(でした。)
分からない私はグイグイっとバッテリーを外し、というよりも半ば強引に引っこ抜くことに。
バッテリの外側にパーツがテープでとめられています。
これは恐らくバッテリーの温度を測るセンサーではないかと。
で、グリグリと弄っている間にやってしまいました...
プルームエックスを分解しておきながら言うのも何ですが、この時の私はまだ元に戻して使うつもりだったのです。
それがバッテリーの金具をねじ切ってしまうとは...
ここで選択すべき道は二つ、
- 破壊覚悟で完全分解
- 補修して使う
今になって思えば補修するのではなく完全分解して新品のプルームエックスを購入すべきでした。
太いリード線でバイパス加工
『電源喪失しただけでリード線でバイパスすればまだイケる、半田ごてで付ければまだイケる...!』
バカですねぇ、実に馬鹿な発想です...って私のことですけど!!!
でもこの時は新品購入が頭になく、直すことしか考えていませんでした。ポイントとなるのは半田がバッテリーの金具にのるかどうか?です。
結果は御覧の通り、金具に半田がのり成功しました。
半田が乗らない場合は金具の表面を削って半田を乗せるか、バッ直で...なんてプランBも考えていた私は本当にバカなオッサンです。
後はグイグイっと押し込んで元通り...なんてわけにはいかず、何をどうやってもリード線をデバイス内部に収めることが出来ません。
ならば残された手段はリード線を「外に出す」といった発想。
それでやったのかコレ....
外装パーツに穴をあけてリード線を外に出してしまえば問題なく使えるといった発想による行為になります。
握りやすくお洒落で洗練されたデザインのプルームエックスを台無しにしてしまいました。
- リード線を使うにしてももっと短いものでやればよい
- 外装の穴をもう少し大きく加工して、外から半田でつければよい
このような指摘があるのは重々承知しています。私もやってしまった後から気が付きました...つまり再三になりますが私はバカってことです。
プルームエックスは電源喪失状態になると工場出荷状態になる
リード線によるバイパスが完了した時点で通電チェックを行うもデバイスが反応しませんでした。
これはもしかすると一番最初の状態、電源喪失すると工場出荷状態になり、一度USBで繋げないとダメなのか?
やはりUSBで繋げると電源ONに。
プルームエックスは電源喪失状態になると完全初期化になります...とはいってもこの状態になること自体が分解前提ですけどね!
後はフタをつけて元通りに...
全然元通りになっていません!
でもこのような状態でもちゃんと普通に吸える、プルームエックスのパワフルな喫煙が楽しめる、吸う分には全く問題ありません。
ただしバッテリーを押し込む時にバイブレーションパーツをグイっとやってしまったことでバイブが機能せず、
加えてマグネットが2か所とも取れてしまったのでデバイスがフロントカバーを保持できないからゴムでとめるしかない状態に。
もう一度バラしてバイブパーツのチェックとマグネットの接着、リード線を出す外装の穴を拡大してリード線を短くするしかありません。
せっかくだからリード線の間に物理スイッチをかまして強制電源OFF&工場出荷状態機能を付けてみるのも面白いかと考えています。
真似する人はいないでしょうか、真似しませんように!
物理スイッチ装着
外だしコード状態でも使えるプルームエックスですが、どうせなら物理スイッチをかましてカッコよく...
なんて欲望を実現すべく、秋葉原でスイッチを購入。
せっかくやるのだからゴツいスイッチで魔改造っぽく...!
と思った私がバカでした、昔からバカなので当然の結果です。
つまりはこう!
物理スイッチ付きプルームエックスにした結果はごらんの通り、
『やらなきゃよかった!』
この一言に尽きます。
小型でスタイリッシュで握りやすいデザインのプルームエックスが台無しに。
しつこいようですが真似しないように!